【vol.2:林 勲(関西大学)】ブラックボックス化されたディープラーニングの不安を払拭する「見えるAI」の研究を探索

2022年3月28日 16時57分 公開

関西大学大学院 総合情報学研究科 教授

林 勲 (Isao Hayashi)

■Vision / Motivation

1987年頃に産業界でファジィ理論の勃興が隆起した際,学術界ではなく産業界でファジィ理論の進展と実践を目指し,大阪府立大学大学院工学研究科博士後期課程から産業界に転身した.1988年,松下電器中央研究所で「ニューロ・ファジィ」を開発し,ファジィ制御とニューロ・ファジィ制御の普及に務めた.1991年,工学博士(大阪府立大学).ファジィ理論の終焉後,大学で脳知能情報学の研究を極めることを目指し,現在に至る.

■Biography

脳知能情報学の研究者.ニューロ・ファジィ理論の生みの親であり,AIの高度な活用による産業実用化モデルの開発などに取り組んでいる.仮想データの発生とアンサンブル学習を用いて識別率を向上させるクラスタリングの研究や,画像処理技術とソフトコンピューティングを用いて,物体の観測データの種類を判別しクラスを可視化・構造化して状況判断をスキルとして獲得する研究,卓球競技等のスポーツ動画映像からボール位置や選手位置・属性を抽出し競技者の戦術と戦略を自動獲得するAIスポーツの研究などを展開.

*関連リンク*
・関大研究Stories https://www.kansai-u.ac.jp/stories/8_hayashi.html
・関西大学教員情報 https://www.kansai-u.ac.jp/Fc_inf/fm/staff/ihaya.html

■Research keywords

仮想データの発生とアンサンブル学習を用いて識別率を向上させるクラスタリングの研究や,画像処理技術とソフトコンピューティングを用いて物体の観測データの種類を判別しクラスを可視化・構造化して状況判断のスキルを獲得する研究.

卓球競技等のスポーツ動画映像からボール位置や選手位置・属性を抽出し競技者の戦術と戦略を自動獲得するAIスポーツの研究等を展開.

■Research Interests

診療データ,スポーツ競技 戦術・戦略獲得,技能別スキル獲得, など

[技術的な関心例]
仮想データ発生型アンサンブル学習によるクラスデータの評価・識別支援システム
[概要]
工場の炉温度調節,作業者の状況認識,診察データからの患者の症状把握,家庭内の人物判別認識,スポーツ選手の戦術戦略解析など,仮想データの発生とアンサンブル学習を用いてクラス分類の識別率を向上させる.あるいは,画像処理技術とソフトコンピューティングを用いて,物体の観測データの種類を判別しクラスを可視化・構造化して状況判断のスキルを獲得する.スポーツ動画映像から競技者の戦術と戦略を自動獲得する.
例えば,ファジィクラスタリングの仮想データ発生型アンサンブル学習を用いて,工場ラインでの作業者の動作画像から定期的かつ常用的な動作法則を抽出して,作業者のスキルをルール表現で抽出する.その結果, さらなるスキルの向上に役立てる.

■Recent Research Porject

・Harmonized Fitness:音楽運動のアンサンブルによる健康づくりのスマート化, [関西大学研究拠点形成支援経費, 2021]
・卓球ロボットに係る卓球戦略, 卓球能力解析に関する研究, [学内共同研究 / オムロン(株), 2019]
・アンサンブル学習によるクラスタリングモデルの高精度化に関する研究, [学外共同研究 / (株)ニチゾウテック, 2019]
・卓球ロボットに係る卓球動作コーチングに関する研究, [学外共同研究 / オムロン(株), 2018]

■Tech Stack

[サーバーサイド]   Python / Java
[データベース]    MySQL

■Affiliation

2010年度: ボストン大学へ招聘研究員として在外研究
2004年度 – 現在: 関西大学, 総合情報学部, 教授
1999年度: ボストン大学へ招聘研究員として在外研究
1997年度 – 2004年度: 阪南大学, 経営情報学部, 教授
1997年度: 南オーストラリア州立大学へ招聘研究員として在外研究
1994年度 – 1997年度: 阪南大学, 経営情報学部, 助教
1993年度 – 1994年度: 阪南大学, 経営情報学部, 講師
1987年度 – 1993年度: 松下電器産業(株)/現パナソニック
1981年度 – 1983年度: シャープ(株)
※KAKEN・研究室HPの情報より

■Research Experiences(include Joint Research)

- オムロン株式会社
- 日立造船株式会社
- パナソニック株式会社
- ニチゾウテック株式会社
  他

■Awards and Honors

2020年: 関西大学「学の実化賞」ファジィAIで人を育てる卓球ロボットの開発
2013年: Best Session Paper Award (ISIS2013)
2012年: 平成24年度日本知能情報ファジィ学会論文賞
2009年・2013年・2014年・2017年・2018年・2020年: 日本知能情報ファジィ学会貢献賞
2008年: Best Presentation Award (SCIS&ISIS2008)
2007年: Recognition Award (ISIS2007)
1990年: 平成2年度電気関係学会関西支部連合大会講演会奨励賞

■Research Funding

・バーチャルデータ発生型ファジィバギングを用いた放送映像の卓球戦略獲得ボードの開発, [科学研究費補助金, 2020]
・脳知能情報学に関する研究, [指定寄付金 / 日立造船(株), 2015]
・人間の知能情報処理のモデル化に関する研究, [指定寄付金 / オムロン(株), 2007]
・ラット海馬培養細胞と小型ロボットの反応・制御系でのニューロモデル構成と知識獲得, [科学研究費補助金, 2006]
・視覚系運動知覚の内部モデルを獲得するニューロモデルの構築, [科学研究費補助金, 2002]

■Publications

https://www.cbii.kutc.kansai-u.ac.jp/publications_j.html

■Patents

2021年: 戦術分析装置およびその制御方法, 並びに制御プログラム, 特願2021-152431
2020年: 学習装置およびその学習方法, 制御プログラム, 出願2020-51496
2000年: Inference Rule Determining Method and Inference Device, US Patent RE36823
1988年: 推論規則決定方法と推論装置, No.63-124354
その他: 34件の出願特許

■Educations

1991年: 大阪府立大学 工学博士
1985年 – 1987年:  大阪府立大学大学院 工学研究科 経営工学専攻  博士後期課程 途中退学
1983年 – 1985年: 大阪府立大学大学院 工学研究科 経営工学専攻 修了
1977年 – 1981年: 大阪府立大学 工学部 経営工学科 卒業

■Language

日本語 – Native
英語 – Fluent

■Contact

本記事に関する質問や、林 勲さんとの研究連携、仕事の依頼などについてご要望がございましたらResearchPortまでお問い合わせください。
https://research-p.com/contactform/

 

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