「CVPR」ResearchPortトップカンファレンス定点観測

2021年12月13日 12時57分 公開

本記事3行要約:

●近年のAIの進化は目覚ましい
●研究数も増加していることをファクトベースで確認
●それに伴って実用的な応用分野もどんどん出てきており将来が楽しみ


近年、AIの進化には目を見張るものがあります。それを牽引している技術が、機械学習、中でも深層学習であることは明らかです。深層学習自体は、福島邦彦先生のネオコグニトロンや、ジェフリー・ヒントン先生のディープ・ビリーフ・ネットワークやオートエンコーダ、ヤン・ルカン先生の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)などですでに存在していました。しかし、その実用的な価値はヒントン先生の研究チームが、2012年ImageNetの物体認識コンペティションで2位以下を圧倒して勝ったのを機に広く知られるようになりました。

ここからは、そのブレークスルーが起こったコンピュータビジョン分野で、研究がどのように増加していったかを見ていきたいと思います。

一つの指標となるのは、この分野で最高峰の会議であり、毎年開催されるCVPR(IEEE/CVF Conference on Computer Vision and Pattern Recognition)における論文投稿数です。図1に、IEEEの論文集に統計が残っている1996年からの推移をまとめてみました(#submissionsの列を参照)。2002年は記録がありませんが、SARSの影響で開催されなかったのかもしれません。
これを見ると、2000年までは500件程度、2001年に900件を超えますが、2007年までは1,000件程度です。この後、徐々に増えつつも2,000件以内で推移し続けます。2012年のブレークスルーの後も、すぐに投稿数が増えた訳ではありませんでしたが、2015年には2,000件を超えます。大きな変化が起こったのは2019年で、この年にそれまでは3,000件台以下だったものが、急に5,000件を越える投稿数になっています。特に採択率が増えた訳ではありません。その後もどんどん増え2021年には7,000件を超えてしまいました。1996年から比べると実に14倍です。その間、採択率はむしろ低くなっており、採択難易度が高くなってきてもいます。

Year Conference #papers #orals #submissions acceptance rate oral acceptance rate Place
1996 CVPR 137 73 551 39.93% 13.25% San Francisco,CA
1997 CVPR 173 62 544 40.44% 11.40% San juan,Puerto Rico
1998 CVPR 139 42 453 48.57% 9.27% Santa Barbara,CA
1999 CVPR 192 73 503 43.74% 14.51% Fort Collins,CO
2000 CVPR 220 66 466 47.21% 14.16% Hilton Head,SC
2001 CVPR 273 78 920 29.67% 8.48% Kauai,HI
2002 CVPR
2003 CVPR 209 60 905 23.09% 6.63% Madison,WI
2004 CVPR 260 54 873 29.78% 6.19% Washington,DC
2005 CVPR 326 75 1160 28.10% 6.47% San Diego,CA
2006 CVPR 318 54 1131 28.12% 4.77% New York,NY
2007 CVPR 353 60 1250 28.24% 4.80% Minneapolis,MN
2008 CVPR 508 64 1593 31.89% 4.02% Anchorage,AK
2009 CVPR 384 61 1464 26.23% 4.17% Miami,FL
2010 CVPR 462 78 1724 26.80% 4.52% San Francisco,CA
2011 CVPR 436 59 1677 26.00% 3.52% Colorado Springs,CO
2012 CVPR 463 48 1933 23.95% 2.48% Providence
2013 CVPR 471 60 1798 26.20% 3.34% Portland,OR
2014 CVPR 540 104 1807 29.88% 5.76% Columbus,OH
2015 CVPR 602 71 2123 28.36% 3.34% Boston,MA
2016 CVPR 643 83 2145 29.98% 3.87% Las Vegas,NV
2017 CVPR 783 71 2680 29.22% 2.65% Hawaii,HW
2018 CVPR 979 70 3359 29.15% 2.08% Salt Lake City,UT
2019 CVPR 1294 288 5160 25.08% 5.58% Long Beach,CA
2020 CVPR 1467 335 5865 25.01% 5.71% Seattle,WA
2021 CVPR 1663 295 7015 23.71% 4.21% Nashville,TN

図 1 CVPR論文投稿数および採択率

これらを見ても、AI関連の研究が急増してきていることが分かります。それに伴い自動運転を始めとして様々な実用的応用分野が生み出され続けています。来年がどれほどの規模になるかは蓋を開けてみないと分かりませんが、報告されたら、またまとめてみようと思います。

今日は、「AIの研究は本当に増えているのか?」を実際の統計を見ながら感じてみました。
このように多くの研究がなされると、それに伴ってより多くの問題が解決されることになり、進化のスピードも早くなっているということが見て取れるでしょう。スマートフォンやカメラ、インターネット上の画像検索や、製造業における自動化、自動運転などと、これからも実用的な応用が生まれ続けていくはずです。これらにより我々の生活も大きく変化しそうで楽しみですね。


*参考ウェブサイト:
https://www.computer.org/csdl/pds/api/csdl/proceedings/download-article/12OmNqzu6Mx/pdf
https://www.computer.org/csdl/pds/api/csdl/proceedings/download-article/12OmNqIQS3T/pdf
https://www.computer.org/csdl/pds/api/csdl/proceedings/download-article/12OmNBOllpg/pdf
https://www.computer.org/csdl/pds/api/csdl/proceedings/download-article/12OmNwJybSb/pdf
https://www.computer.org/csdl/pds/api/csdl/proceedings/download-article/12OmNz2kqry/pdf
https://www.computer.org/csdl/pds/api/csdl/proceedings/download-article/12OmNqBbI2k/pdf
https://www.computer.org/csdl/pds/api/csdl/proceedings/download-article/12OmNviZlqP/pdf

編集:ResearchPort事業部

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